失恋は塩漬けくらいしょっぱくてちょうどいい

こんばんは!きゅうり野郎でございます!汗のかき具合が半端じゃありません!身体を動かす仕事をしている私、この1ヶ月で3キロ痩せました。うーん健康的。だけど、もうちょい休み欲しいんだよなぁ……

 

さて。今回は前回に引き続き、私きゅうり野郎の青臭初恋エピソード回でございます。簡単なあらすじは書きますが、前回のブログを読んだ方がきゅうり野郎の酷さがよりダイレクトに伝わるので、興味を持っていただけた方はお時間のある時にでもご覧下さいな!

 

~前回までのあらすじ~

クラス替えで人見知りを爆発させる当時中学二年生のきゅうり野郎。そこに声を掛けてくれたのはショートヘアーの女の子Kさん。彼女の優しさに対して中学二年生らしく厨二病を発症し、正気の沙汰とは思えない塩対応(きゅうりだけに)をするきゅうり野郎。しかし、Kさんの可愛さに一目惚れをしてしまう。塩対応(きゅうりだけに…ん?しつこい?)をしたことを後悔しながら、後に中学卒業まで続くきゅうり野郎の初恋が幕を開けたのであった。

 

 

Kさんとの邂逅から早半年。クラスの男子たちに恵まれ、私は楽しい学校生活を満喫しておりました。給食のデザート・牛乳ジャンケンはもちろん、給食を10分以内に食べ終わり、昼休みが始まる前に校庭に飛び出し一番良い場所をとってクラスのみんなとサッカーをするという、こうして書くとまさにリア充ライフでしたね!(部活のバスケ部は調子悪かったですが…。致命的に体力が無いというのが仲間内での総意でした(苦笑))

 

当のKさんとも、あの地獄のファーストコンタクトがウソだったように気兼ねなく話せるようになっていました。私がKさんの立場なら私には絶対話し掛けないだろうに……。私がきゅうり野郎なら、Kさんは阿弥陀仏陀かなんかの化身だったのかもしれません。

 

Kさんは、本当に可愛い女の子でした。爛々とした瞳や、笑った時にキュッと上がる口角と笑窪に私は見事に心奪われていましたが、外見だけでなく、人懐っこく明るく素直な性格が見てて気持ちが良かったものです。当時の自分にはちょっと足りていなかった部分なので、尚更惹かれたのかもしれません。

 

今でもこんなにのろけてしまうぐらいですから、当時のきゅうり野郎はそれはもうすごかったですよ。少しでもかっこよく見せるためにワックス(しかもスーパーハードタイプのジェル)をつけて髪を皇帝ペンギン並みにバッキバキにしたり(当時の自分を見たら自殺する可能性あるくらい変だったと思う)、腰パンしちゃったり、お昼の放送で流れた曲に「きゅうり君!これ○○の新曲だよ!私○○大好きなんだぁ♪」とKさんに言われれば「あー俺も好きだよ、超良いよねー!(実は全く知らない。むしろ音楽に全く興味ない。アニソンしか借りたことなかった。90年代のアニメは神過ぎた)」と言って話を弾ませた日の帰りにTSUTAYAに行ってアルバム全部レンタルしてそのアーティストを覚える(それがきっかけで音楽に滅茶苦茶ハマって将来はバンドに目覚めることになるとは当時14歳のきゅうり野郎は思ってもみなかったのである)とか、まぁ思春期の勘違いした男なら大抵通るであろう道を脇目も降らず爆進し、少しでもKの目に止まるよう正誤は度外視された努力を続けていました。まぁ、それが楽しかったりもするんですよね。

 

特に進展もなかったけれど、Kさんともそこそこ仲良く話せてもいるし、クラスの男子はみんな良い奴らだし、部活もなんだかんだ楽しかった。勉強と、姉貴がグレにグレまくってた以外は何もかもが順調でした。……あの冬までは。

 

ある日、私は一番耳に入れたくない噂を聞いてしまいました。

 

ーKさん、隣のクラスのイケメン君が好きなんだってさ

 

 

えぇ。青天の霹靂ですよ。いやそりゃKさんも思春期の女子だし?恋の一つや二つ、しますよそりゃ。

 

しかし、相手が悪すぎました。隣のクラスのイケメン君とは、サッカー部のエース、学力優秀、超絶イケメン、同学年はもちろん、上の学年と下の学年の女子たちからもキャーキャー言われるという、(え?それなんて僕が考えた最強の主人公?)みたいな、モテる条件特盛り全部乗せみたいな男でした。どう贔屓目に見ても顔は下の上、運動神経中の中、学力文系以外ほぼ全滅の私には逆立ちどころかバク転したって勝てる相手ではありません。そもそも運動神経中の中だから逆立ちもバク転も出来ません。

 

しかし、当時の私は勘違いが服を着て歩いているような人間、馬鹿すぎる脳みそが捻り出した答えは至って陳腐なものでした。

 

「二人が付き合う前に俺が告白してしまおう!」

 

…………おいきゅうり野郎よ、文系が得意というなら人の心の機敏をちゃんと読み取りなさいよ。

 

(間違っている)覚悟に覚悟を重ね、私はクラスの連絡網を見ながらKさんに電話を掛けました(直接言わんのかいっ!)。

 

あ、蛇足ですが、今の若い子たちは手軽に携帯を持てるようになってメリットも大きいと思うけど、あの家に電話を掛けるドキドキ感を味わうことはもう無いんだろうなと思うと、自分がちょっと得した気分になります。

 

K「もしもし、Kですが~」

きゅうり「あっ、もしもし、Kさんと同じクラスのきゅうり野郎と申しますが、Kさんはいらっしゃいますでしょうか?」←これを滅茶苦茶噛んで言う

 

K「あっ、きゅうり君!私わたし!どうしたの?」

 

きゅうり「……あのさ、俺、ずっと前からKさんのこと好きだったんだ……」

 

K「えっ!!……ありがとう、でもごめんなさい、私、好きな人いるんだぁ……」

 

きゅうり「……そっか、そうだよね、いやこっちこそ急にごめん、気にしないで、それじゃあ……」

 

ーもちろん勝算はありませんでした。私はただのクラスメート。それ以上でも以下でもない。冷静に考えれば当然の結果です。それでも、私にとってそれは初めての失恋でした。不覚にも目に滲んでくるものを必死に塞き止めるように、枕に顔を埋めましたが、枕はただただ湿っていくだけでした。

 

クラス替えをしてはじめて、学校に行きたくないと思った、中学二年の冬休み直前に控えた夜でした。

 

……しょうこりもなく続く!